雑誌を見ていたら、2010年に書かれた渡辺淳一さんのコラムが目に留まった。
渡辺さんがたまたま宴席で瀬戸内寂聴さんと隣り合わせになったときのこと。
その当時、とってもお元気だった寂聴さん。
渡辺さんが「お元気そうですね」と寂聴さんに声をかけると、
「渡辺さん、わたし病気なの」と返ってきた…。
私は「寂聴さん、あなたもですか?」ってちょっと思った。
ある程度年を歳を重ねると、
「私、腰がいたいの」「頭痛持ちなの」「胃が痛くて」
プチ不調で、会話が盛り上がるものなんですよね…(笑)
中には「元気だけが取柄で」という人もいるけれど、それもかなり少数派となる。
ところが、そうじゃなかった!!!
ここはさすがの寂聴さん。
「わたしね、死なない病気になったみたいなの」と続ける。
それは本当か?いや冗談に決まってる。
呆気にとられたあと可笑しさがこみあげてきた渡辺さん。
寂聴さんは真面目な顏で続ける。
「わたし、今年で88歳。それなのにどこも悪くないの」
渡辺さんが大きくうなずき「たしかに、死なない病気かもしれませんね(^-^)」と返すと、
にっこりとほほ笑まれたらしい。
いたずらっ子のような優しい微笑みが目に浮かびます。
いいなぁ。
こういう会話ができるのって。
この後、渡辺さんはお亡くなりになられ、
寂聴さんは病気になられ大変な思いもされていますが、
「死に支度」という本を書かれたりして、変わらずご活躍されている。
いつなんどき何があるかわからないけれど、
いくつになっても、ウィットに富んだ会話ができるのは憧れますね(*^-^)
posted by きりちゃん at 12:55| 鹿児島 ☀|
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